耳鼻咽喉科 / 音声外科 / リウマチ科 大阪 梅田

ENGLICH

menu

ウェブから予約

重症花粉症、ひどいスギ花粉症の治療について

例年、関西では2月に入るとスギ花粉が飛び始めます。初旬には少しの花粉だけではあまり鼻の粘膜も反応しないのですが、毎日、少しずつ花粉を吸い続けていると2月の中旬以降にはくしゃみ、鼻水、鼻づまりが気になりだします。

このスギ花粉症の反応がひどい重症花粉症といわれる人になりますと1日中、ティッシュペーパーが手放せないという方もおいでです。今までですと、そういう重症花粉症の方には抗ヒスタミン薬+点鼻ステロイドだけでなく、ステロイド剤を飲んだり、鼻の粘膜に注射をしたりして、症状を抑えていたのですが、2019年からは抗体製剤ゾレア(一般名:オマリズマブ)という注射薬が使えることになりました。

2020年からは当院でもこの注射を用いた治療を始めましたが、効果は抜群です。もし、内服薬や点鼻スプレーで花粉症が治まらないという方には良い治療だと思われます。

ゾレアの効果

  • 肥満細胞から放出されるヒスタミン、ロイコトリエンを抑えることにより、花粉症症状を強力に抑え込む。
  • 即効性があります。(多くは1週間以内から)

ゾレア使用者の適応条件

  • スギ花粉症の時期には1日で鼻をかむ回数やくしゃみが11回以上あるような重症の方。
  • 鼻詰まりがひどく口呼吸になる重症の方。
  • 12歳以上で、血清の総IgE濃度が30~1500IU/ml、体重20~150kg。
  • スギ花粉の血液によるアレルギー検査でクラス3以上。
  • 治療のために普通の抗ヒスタミン+点鼻ステロイドを1週間使用しても、効果不十分。

ゾレアの値段

4週間に1回投与の場合、健康保険の3割負担の方で症状に応じ、多くの方が月8,744~17,488円で治療できます。(17,488円より高い場合もあります。)
高額な注射になりますが、大阪市の場合、小児医療助成やひとり親保険を用いると月500円で治療でき、高額療養費制度などを用いると自己負担は安くなります。

ゾレアの副作用

  • 注射をした場所に発赤や腫れが出ることが8.5〜18.7%あります。
  • 気管支のけいれんや血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹などのアナフィラキシー症状が出ることが稀にあります。これらの副作用が出た場合、院内で対処するために初回の注射後は30分、2回目以降の注射後は15分、院内でお待ちいただくことが必要です。

ゾレア注射のためのスケジュール

  1. 診察を受けていただき、問診の上で重症花粉症かどうかの判定をします。
  2. 抗ヒスタミン薬+点鼻ステロイドの処方を最低1週間行います。
  3. 1週間後の再診でアレルギー検査や総IgE濃度を測るための血液検査を行います。
  4. 血液検査の結果をもとに、症状の改善度と照らし合わせながら、ゾレア注射に対する適応があるかどうかを診察します。
  5. 重症花粉症であり、注射可能な条件に該当し、ご希望があれば、注射可能となります。

ゾレア注射をお勧めしたい方

  • 受験勉強中の12歳〜18歳までの学生。(月500円で治療可能な事が少なくない)
  • 授業中に症状出なくて済む。勉強に集中できる。部活を思いっきりしたい。友達と思いっきり遊びたい方。
  • コロナ禍で花粉症症状をしっかりと抑えたい方。
  • 電車や会社、人前でくしゃみや鼻かみを少しでも抑えたい方。
  • 花粉症症状により仕事や家事に影響を及ぼす方。
  • 結婚式など大事なイベントを控えている方。
  • 花粉症症状によりお化粧が上手くいかない方。

参考サイト